フルマラソンで4時間を切る。市民ランナーにとって、最初の大きな節目です。
では、そこに必要な走力を数字で言うとどうなるのか。この記事では、VO2maxとVDOTの両方から「サブ4のライン」を示し、あと何が足りないのかを確認できるようにまとめます。
結論:必要な数値
| 指標 | サブ4に必要な値 |
|---|---|
| VDOT(レースタイムから算出) | 37.9 |
| VO2max(GPSウォッチの表示スケール) | 44.6 |
| 必要な巡航ペース | 1kmあたり5分41秒 |
二つの数値が並んでいて戸惑うかもしれません。これは同じものの別表現ではなく、別の尺度です。
GPSウォッチが表示するVO2maxは、心拍とスピードから推定した生理学的な値。VDOTはレースタイムから逆算した実戦的な走力指数です。同じランナーでも両者は10ポイントほど離れます。
つまり時計が45前後を表示していれば、サブ4の射程に入っているということになります。VDOTで38という数字だけを見て「まだ遠い」と感じる必要はありません。
他の距離ではどのタイムに相当するか
フルマラソンを走らなくても、短い距離の記録から現在地は測れます。サブ4と同等の走力は、他の距離では次のタイムに相当します。
| 距離 | タイム |
|---|---|
| 5km | 25分13秒 |
| 10km | 52分21秒 |
| ハーフ | 1時間56分06秒 |
10kmで52分を切れているなら、サブ4の走力は既にあります。 あとはそれを42.195kmまで維持する持久力と、当日のペース配分の問題です。
逆に10kmが55分、1時間とかかるようであれば、まずそこを詰めるほうが近道です。短い距離のほうが練習の成果が出やすく、改善も実感しやすいからです。
練習ペースの目安
VDOT 37.9に対応する練習ペースは次の通りです。
| 練習の種類 | ペース(1kmあたり) | 用途 |
|---|---|---|
| Eペース | 6分23秒 | ジョグ。土台づくり |
| Mペース | 5分31秒 | レース想定走 |
| Tペース | 5分19秒 | 閾値走。20分程度維持 |
| Iペース | 4分53秒 | 高強度。3〜5分の繰り返し |
注意していただきたいのは、Eペースが目標レースペースより遅いことです。5分41秒で走りたいのに、ジョグは6分23秒。遅すぎると感じるかもしれませんが、これで正解です。
多くのランナーが伸び悩む原因は、ジョグが速すぎることにあります。毎回そこそこきついペースで走ると、疲労が抜けず、本当に追い込むべき日に追い込めません。遅い日は遅く走る。これが結果的に近道になります。
実際にサブ4を達成したときのデータ
参考として、実際にサブ4を達成したランナーの記録を挙げます。真夏の国内フルマラソン、気温の高い条件でのレースです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| ネットタイム | 3時間59分台 |
| レース当日の時計のVO2max表示 | 48.1 |
| 4日前の表示 | 48.4 |
理論上の必要値44.6に対して、実際の表示は48。3ポイントほど余裕がある状態で、ぎりぎりのサブ4でした。
これは前述の「時計の値は楽観的に出る」という傾向と一致します。暑い条件だったことも影響していますが、いずれにせよ時計が45を指したからといって、すぐサブ4できるわけではないという現実的な目安になります。
安全を見るなら、時計の表示で48前後を一つの目標にするのが実感に近いと思われます。
あと何ポイント足りないか
自分の現在地と目標の差を知るには、VO2max別の予想タイム一覧表を見るのが早いです。自分の数値の行を探し、サブ4のラインまで何行あるかを数えるだけです。
VO2maxは固定された才能ではなく、トレーニングで向上します。一般に、継続的な有酸素トレーニングによって数か月単位で数ポイントの改善が期待できるとされています。今45に届いていなくても、届かない数字ではありません。
注意点
ここに挙げた数値は、いずれも好条件が揃った場合の理論値です。
気温が20度を超えるレース、起伏の大きいコース、向かい風、スタート直後の混雑。これらはすべてタイムを押し下げます。前述の実例でも、理論値より余裕のある走力を持ちながら、ネットで3時間59分台という結果でした。
表の数字をそのままペース設定に使うのは危険です。 特にフルマラソンは、序盤の数十秒の速さが後半の数分の失速につながります。目標ペースは理論値より少し余裕を持たせ、後半に上げられる状態を作るほうが、結果的に良いタイムになります。
まとめ
- サブ4に必要なVDOTは37.9、時計のVO2maxスケールでは44.6
- 必要な巡航ペースは1kmあたり5分41秒
- 10kmで52分20秒を切れていれば、走力としては到達している
- 実例では時計の表示48でぎりぎりのサブ4。理論値より余裕を見ておくほうが安全
- ジョグは6分23秒程度。遅く走る日を作ることが結果的に近道
