Apple WatchのVO2maxで予想タイムは当たるのか|約2年・340回のランで距離別に検証

指標を知る

Apple WatchのVO2maxから一覧表で予想タイムを引くと、どれくらい当たるのか。あるランナーの約2年分、約340回のランを突き合わせました。結論は、5kmはほぼ予想どおり、距離が延びるほど実際のタイムが遅くなり、フルマラソンでは4〜6%(7〜14分)遅かったです。

結論:距離別の当たり具合

距離比べた回数予想との差(中央値)差の範囲
5km8回ほぼ0%3%速い〜3%遅い
10km8回ほぼ0%9%速い〜6%遅い
16〜30km(練習)7回5%遅い1%〜8%遅い
フルマラソン(レース)2回—4%遅い、6%遅い

5kmの予想との差が3%なら、25分のタイムで約45秒です。一方フルマラソンの6%は、4時間で約14分になります。同じ時計の同じ数値でも、距離によって当たり方がまったく違うという結果でした。

調べ方

  • 対象:約2年間の4.9km以上のラン342回(Nike Run Clubの記録)と、同じ期間にApple Watchが記録したVO2max
  • 予想タイム:走った日の直前に時計が表示していたVO2maxから、一覧表と同じ計算方法で、その日に走った距離の予想タイムを出した
  • 比べ方:3か月ごとに、各距離で予想に対して最も速かった1回を選び、予想との差を%で出した

ほとんどは練習の記録で、全力で走ったとは限りません。そのため、3か月ごとに最も速かった1回、つまり全力に最も近い走りだけを比べています。フルマラソンの2回だけはレースの結果です。

5kmは、時計の数値が変わっても予想どおりだった

時期(比べた期間の)時計のVO2max予想との差
1〜3か月目36.81%遅い
4〜6か月目43.6ほぼ0%
7〜9か月目43.93%速い
10〜12か月目48.11%速い
13〜15か月目49.93%速い
16〜18か月目50.2ほぼ0%
19〜21か月目50.83%遅い
22〜24か月目53.42%遅い

時計のVO2maxは2年で36.8から53.4まで上がりましたが、5kmでは、どの時期も予想との差が3%以内に収まっていました。練習の記録なので、全力で走れば予想より速かった可能性もあります。少なくとも5kmでは、時計の数値から引いた予想が甘すぎることはなかったと言えます。

フルマラソンでは、7分と14分遅かった

1年目2年目
時計が表示していたVO2max48.154.0
一覧表の予想3時間45分台3時間24分台
実際のネットタイム3時間59分台3時間31分台
差約14分遅い(6%)約7分遅い(4%)

どちらも真夏の国内フルマラソンで、暑さの影響を受けています。この2レースの詳しい検証は、時計のVO2maxとVDOTの違いの記事にまとめています。

距離で当たり方が違う理由(考えられること)

時計は、ふだんのランの心拍数と速さからVO2maxを推定します。ここで分かるのは、主に「酸素をどれだけ取り込めるか」という心肺の能力です。

一方、フルマラソンの結果は、心肺の能力に加えて、42kmを走り続けられる脚、補給、暑さへの対応にも左右されます。予想の計算式は、こうした長い距離への強さが走力に見合っていることを前提にしています。このランナーは長い距離の練習が少なかったため、その前提から外れて、距離が延びるほど予想より遅くなった可能性があります。ただし、1人分のデータなので、原因を断定することはできません。

ガーミンの時計が表示する予想タイムの仕組みはガーミンの予想タイムは何で決まる?にまとめています。

時計の数値の使い方

  • 5km・10km:時計の数値から一覧表で引いた予想を、そのまま目安にしてよさそうです
  • ハーフ以上:予想より遅くなる前提で考えるほうが安全です。このランナーの場合、フルマラソンでは4〜6%遅くなりました
  • より正確に知りたい場合:直近のレースタイムから計算するほうが確実です。VDOT計算機を使ってください

時計の数値の見方は、機種ごとにGPSウォッチのVO2maxはどこで見る?にまとめています。

年齢・男女別の平均的なVO2maxと、その値での予想タイムはVO2maxの平均は?年齢・男女別に見るとにまとめています。

この実測の差を、大会の申込で書く予想タイムに当てはめた目安は、マラソンのエントリーで書く予想タイムは?にまとめています。

予想タイムはDaniels-Gilbertの式、時計の数値(生理学的なVO2maxの尺度)との換算はCooperの式によります。

タイトルとURLをコピーしました