シューズが片足100g重くなると、走るのに必要なエネルギーは約1%増えます。これは複数の研究でほぼ同じ値が出ています。このサイトの計算式でマラソンのタイムに換算すると、4時間のランナーで片足100gあたり約2分です。厚底カーボンシューズの効果(4時間で約5〜8分)と比べると、重さそのものの影響は小さめです。
結論:重さの差とマラソンのタイム
| いつものマラソンのタイム | 片足50g軽い | 片足100g軽い | 片足150g軽い | 片足200g軽い |
|---|---|---|---|---|
| 3時間00分 | 約50秒 | 約1分40秒 | 約2分30秒 | 約3分10秒 |
| 3時間30分 | 約1分 | 約1分50秒 | 約2分50秒 | 約3分50秒 |
| 4時間00分 | 約1分 | 約2分10秒 | 約3分10秒 | 約4分20秒 |
| 4時間30分 | 約1分10秒 | 約2分20秒 | 約3分30秒 | 約4分40秒 |
| 5時間00分 | 約1分20秒 | 約2分40秒 | 約3分50秒 | 約5分10秒 |
表は、軽くなった場合に短縮されるタイムです。重くなった場合は、ほぼ同じ分だけ遅くなります。「片足100gで1.11%」という研究の値をもとに、10秒単位に丸めています。
研究の数字
| 研究 | 対象 | 結果 |
|---|---|---|
| Franz ほか(2012年) | 男性ランナー12人 | 片足100gごとに、必要なエネルギーが約1%増えた |
| Hoogkamer ほか(2016年) | 5kmを20分未満で走る男性ランナー18人 | 片足100gごとに、エネルギーが1.11%増え、3km走のタイムが0.78%遅くなった |
Hoogkamerらの研究では、シューズにおもりを付けて、片足100gと300gを足した条件で3kmを走りました。エネルギーの増え方が、そのまま実際のレースタイムの遅れに表れたことを確かめた研究です。研究チームは、男子マラソンの世界記録(当時2時間02分57秒)のランナーなら、シューズが片足100g軽ければ約57秒速くなる計算になると説明しています。
厚底カーボンの効果と比べると
| 4時間のランナーの場合 | 短縮されるタイム |
|---|---|
| シューズが片足50g軽い | 約1分 |
| シューズが片足100g軽い | 約2分 |
| 厚底カーボンシューズ(エネルギー2.5〜4%減) | 約5〜8分 |
厚底カーボンシューズの効果は、軽さだけでなく、反発の大きいミッドソールやプレートによるものです。重さ100gの差より、厚底カーボンの効果のほうが大きい計算になります。シューズを比べるときは、重さだけで選ぶと、この差を見落とすことになります。厚底カーボンの効果は厚底カーボンシューズで何%速くなる?、サブ4での計算は厚底カーボンシューズで何%速くなる?(サブ4の場合)にまとめています。
各社の最新モデルの重さは、ランニングシューズはどう比べる?で比べています。
体重の変化とシューズの重さの影響の比較は、体重が減るとVO2maxは上がる?にまとめています。
注意点
- おもりを足した実験:研究は、同じシューズにおもりを付けて重さだけを変えています。実際に別のシューズに替えると、クッションや反発など重さ以外も変わるため、表の通りになるとは限りません
- 対象は男性ランナー:2つの研究はどちらも男性が対象で、Hoogkamerらの研究は比較的速いランナーです
- 控えめな換算:タイムへの換算はDaniels-Gilbertの式によるもので、遅いランナーほど効果が大きく出やすいとするKippらの分析より、小さめに出ます
- このサイトでの検証はしていません:この記事は研究の数字をまとめたもので、運営者がシューズを履き比べた結果ではありません
出典
- Hoogkamer W, Kipp S, Spiering BA, Kram R. Altered running economy directly translates to altered distance-running performance. Medicine & Science in Sports & Exercise, 2016
- CU Boulder Today「Small increases in running shoe weight tied to slower race times」(2016年10月)(世界記録での計算例)
- Franz JR, Wierzbinski CM, Kram R. Metabolic cost of running barefoot versus shod: is lighter better? Medicine & Science in Sports & Exercise, 2012
- Kipp S, Kram R, Hoogkamer W. Extrapolating Metabolic Savings in Running: Implications for Performance Predictions. Frontiers in Physiology, 2019
タイムへの換算は、Daniels-Gilbertの式(速さと酸素摂取量の関係)で、同じ酸素摂取量で出せる速さを計算したものです。


