ハーフのタイムからフルマラソンは予想できる?|換算式の答えと、実際に遅れる時間

目標別

ハーフマラソンのタイムからフルマラソンを予想すると、よく使われる換算式ではハーフの約2.05〜2.08倍になります。ハーフ2時間なら、フルは4時間07〜10分です。ただし、市民ランナー2,303人を調べた研究では、この種の換算式はフルマラソンのタイムを速く見積もりすぎ、半数のランナーで10分以上の差が出ていました。研究チームの紹介記事では、ハーフの2.19倍(ハーフ2時間なら4時間22分)のほうが実際に近いとしています。

結論:ハーフのタイム別の換算

ハーフのタイムDaniels-Gilbert式Riegel式2.19倍(実際に近い目安)
1時間40分3時間27分3時間28分3時間39分
1時間50分3時間47分3時間49分4時間00分
2時間00分4時間07分4時間10分4時間22分
2時間10分4時間27分4時間31分4時間44分
2時間20分4時間47分4時間51分5時間06分
2時間30分5時間06分5時間12分5時間28分

分未満は切り捨てています。2つの換算式の結果はほぼ同じで、「2.19倍」との差は、ハーフ2時間で約15分あります。遅いランナーほど、この差は大きくなります。

2つの換算式

  • Daniels-Gilbert式:速さと酸素摂取量の関係から、同じ走力で別の距離を走ったときのタイムを計算します。このサイトの一覧表とVDOT計算機はこの式を使っています
  • Riegel式:「フルのタイム = ハーフのタイム ×(距離の比)1.06」という式です。距離が2倍なら、タイムは約2.085倍になります。米国の雑誌Runner’s Worldの計算機などで使われています

どちらも「ハーフを走った走力のまま、42kmを走り切れる」ことが前提です。十分に練習を積んだランナーには当てはまりやすい一方で、市民ランナーでは後半の失速によって、実際のタイムは遅くなりやすくなります。

研究では、フルだけ予想が外れた

Vickersらは、インターネットの調査で市民ランナー2,303人のレース記録を集め、Riegel式の当たり具合を調べました(2016年)。

  • ハーフまでの距離:Riegel式の予想はおおむね当たっていた
  • フルマラソン:予想が大きく速すぎた。半数のランナーで、予想より10分以上遅い結果だった
  • 改善した予想:過去のレース記録と、ふだんの週間走行距離を使う予想式では、10分以上速すぎた人は約4分の1に減った

研究チームが2014年に米国のSlateで公開した記事では、ハーフ1時間45分のランナーの例が紹介されています。Riegel式の予想は3時間38分でしたが、同じくらいのランナーの実際の平均は3時間53分で、約15分遅い結果でした。ハーフのタイムを2.085倍ではなく2.19倍するほうが、実際に近いとしています。

あるランナーの実測でも、同じくらい遅れた

このサイトで紹介しているあるランナーは、Apple Watchの数値から計算したフルマラソンの予想に対して、1回目は6%、2回目は4%遅いタイムでした(Apple WatchのVO2maxで予想タイムは当たるのか)。ハーフの記録からの予想ではありませんが、上の表で計算すると、「2.19倍」はDaniels-Gilbert式より約5〜7%遅い値にあたり、このランナーの遅れとほぼ同じ大きさです。

予想タイムをどう使うか

  • 換算式の値:今の走力で、条件がそろったときに出せる上限の目安です
  • 2.19倍の値:市民ランナーの実際の結果に近い目安です。初めてのフルマラソンや、走行距離が少ない時期は、こちらに近くなる可能性があります

大会の申込で書く予想タイムの決め方はマラソンのエントリーで書く予想タイムは?、ハーフ2時間切りに必要な走力はハーフマラソン2時間切りに必要なVO2maxにまとめています。

日本のハーフマラソンの完走タイムと、フルとの倍率は、ハーフマラソンの平均タイムは?にまとめています。

出典

Daniels-Gilbert式とRiegel式(指数1.06)の換算は、このサイトで計算したものです。

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