「5時間は切れた。次は4時間30分だ……!」
あるいは、サブ4を目指しているが遠く感じる。その手前に置く目標として、まずは4時間30分切り、サブ4.5を達成したい。
サブ4.5達成を意識されるランナーは、習慣的にランニングを行ない、走力も高い方が多いです。
SNSを見ると、サブ3やサブエガ(2時間50切り)の方々がたくさん目に入るため、誤解しそうになりますが、非ランナーから見れば驚異的なスピードでフルマラソンを走り切る、それがサブ4.5です。
では、必要な走力を数字にすると、どうなるのか。この記事では、他の距離のタイムや練習ペースまで含めて整理します。
結論:必要な数値
| 指標 | サブ4.5に必要な値 |
|---|---|
| VDOT(レースタイムから算出) | 32.8 |
| VO2max(GPSウォッチの表示スケール) | 38.6 |
| 必要な巡航ペース | 1kmあたり6分23秒 |
二つの数値が並んでいて戸惑うかもしれません。
これは同じものの別表現ではなく、別の尺度です。
GPSウォッチが表示するVO2maxは、心拍とスピードから推定した生理学的な値。
VDOTはレースタイムから逆算した実戦的な走力指数です。このサイトの一覧表の換算(Cooperの式)では、サブ4.5の水準で、時計のVO2maxはVDOTより約6ポイント高い値になります。
ただし、あるランナーの実測では、時計の値はレースタイムから計算したVDOTより約10ポイント高く出ていました。
換算上の差と、実際の時計の表示との差は別のものです。
つまり時計が39前後を表示していれば、サブ4.5の射程に入っているということになります。
30分刻みの目標は、43秒刻みになる
前後の目標と並べると、位置関係がはっきりします。
| サブ5 | サブ4.5 | サブ4 | |
|---|---|---|---|
| VDOT | 28.7 | 32.8 | 37.9 |
| VO2max(時計スケール) | 33.7 | 38.6 | 44.6 |
| ペース | 7分06秒 | 6分23秒 | 5分41秒 |
サブ5からサブ4.5で43秒、サブ4.5からサブ4で43秒。
フルマラソンで目標を30分縮めるということは、1kmあたり43秒速く走るということです。どの目標帯でも同じになります。
ただし、必要な走力の上がり方は同じではありません。
VDOTで見ると、サブ5からサブ4.5は4.1ポイント、サブ4.5からサブ4は5.1ポイント。
同じ30分でも、上に行くほど必要な走力の伸びは大きくなります。
他の距離ではどのタイムに相当するか
フルマラソンを走らなくても、短い距離から現在地は測れます。
| 距離 | タイム |
|---|---|
| 5km | 28分30秒 |
| 10km | 59分13秒 |
| ハーフ | 2時間11分14秒 |
10kmで1時間を切れているなら、サブ4.5の走力は既にあります。
1時間という区切りは記録として意識しやすく、実務的にはこれが最も分かりやすい判断材料になります。
ハーフの目安は2時間11分です。
ハーフの完走経験があれば、自分の記録と比べてみてください。
2時間15分前後で走れていれば、あと一歩の距離にいます。
4時間30分〜5時間で完走した人の走行距離の統計はサブ4・サブ3の月間走行距離は何km?で扱っています。
練習ペースの目安
VDOT 32.8に対応する練習ペースです。
| 練習の種類 | ペース(1kmあたり) | 用途 |
|---|---|---|
| Eペース | 7分08秒 | ジョグ。土台づくり |
| Mペース | 6分24秒 | レース想定走 |
| Tペース | 5分58秒 | 閾値走。20分程度維持 |
| Iペース | 5分28秒 | 高強度。3〜5分の繰り返し |
ここでも、Eペースが目標レースペースより遅いという関係になっています。
6分23秒で走りたいのに、ジョグは7分08秒。45秒も遅い計算です。
物足りなく感じるかもしれませんが、これで正解です。
サブ4.5を目指すランナーには伸び盛りの方も多く、ついペースアップしてしまう傾向があるようなので、注意が必要です。
Eペースの目的は、疲労を溜めずに走行距離を確保することにあります。
ジョグで疲れてしまうと、閾値走やインターバルの質が落ちます。
一方でTペースの5分58秒は、目標レースペースより26秒速い設定です。
この差が、レースペースを「きつくない速さ」に変えていきます。
各ペースの意味については、練習ペースの決め方の記事で詳しく解説しています。
注意点
ここに挙げた数値は、好条件が揃った場合の理論値です。
気温が20度を超えるレース、起伏の大きいコース、向かい風。
これらはすべてタイムを押し下げます。
当サイトの実測例では、時計の表示が必要値より3ポイント高い状態でも、暑いレースでぎりぎりの結果でした。
数分から十数分遅くなることを見込んでおくほうが安全です。
表の数字をそのままペース設定に使うのは危険です。
フルマラソンでは、序盤の数十秒の速さが後半の数分の失速につながります。
目標ペースは理論値より少し余裕を持たせ、後半に上げられる状態を作るほうが、結果的に良いタイムになります。
なお、GPSウォッチが表示するVO2maxをそのまま練習ペースの算出に使わないでください。時計の値は実際の走力より高く出る傾向があり、当サイトの実測例では約10ポイントの差がありました。
練習ペースは、直近のレースタイムから算出したVDOT側を基準にするほうが実態に合います。
まとめ
- サブ4.5に必要なVDOTは32.8、時計のVO2maxスケールでは38.6
- 必要な巡航ペースは1kmあたり6分23秒
- 10kmで1時間を切れていれば、走力としては到達している。ハーフの目安は2時間11分
- 30分刻みの目標は、どの帯でも1kmあたり43秒の差になる
- ただし必要な走力の伸びは上に行くほど大きい
- ジョグは7分08秒程度。レースペースより遅く走るのが正しい


