サブ3、それは市民ランナーの憧れ。
並々ならぬ努力と、強靭な肉体と精神が必要です。
フルマラソンで3時間を切るために必要な走力を、数字で示します。
必要なVO2maxは62.4(GPSウォッチの表示と同じ尺度)、巡航ペースは1kmあたり4分15秒です。
4分16秒ちょうどで走り続けると、ゴールは3時間を約2秒超えます。
結論:必要な数値
| 指標 | 3時間切りに必要な値 |
|---|---|
| VDOT(レースタイムから算出) | 53.5 |
| VO2max(GPSウォッチの表示スケール) | 62.4 |
| 必要な巡航ペース | 1kmあたり4分15秒 |
VDOTとVO2maxは別の尺度です。
時計が表示するVO2maxのほうが高く出るため、時計で62〜63が見えていれば射程という読み方になります。
一覧表では、VO2max 63の行からサブ3の帯に入ります。
2つの尺度の違いはこちらの記事で扱っています。
Apple Watchでは、推定範囲の上限に近い
Appleのサポートページでは、Apple WatchのVO2maxの推定範囲は14〜65とされています。
サブ3に必要な62.4は範囲内ですが、上限のすぐ近くの値です。
上限付近で推定がどこまで正確かは公表されていません。
サブ3を狙う段階では、時計の数値よりも、VDOT計算機で直近のレースタイムから走力を確かめるほうが確実です。
各社の時計の違いはGPSウォッチのVO2maxはどこで見る?にまとめています。
サブ3.5との差
| 目標 | 必要ペース | VDOT | 時計のVO2max |
|---|---|---|---|
| サブ3.5 | 4分58秒 | 44.6 | 52.3 |
| サブ3 | 4分15秒 | 53.5 | 62.4 |
1kmあたり約43秒速く走る必要があり、時計のVO2maxでは約10ポイントの差になります。
サブ4からサブ3.5までの差(時計のVO2maxで約8ポイント)より大きな開きです。
サブ3はどれくらいの割合か
全日本マラソンランキングの2025年度の集計では、サブ3を達成したのは男性の4.7%、女性の0.6%でした。全体では約3.9%です。
サブ4は男性の28.9%、女性の12.7%(2019年)です。
集計の対象や年の違いはフルマラソンの平均タイムは?にまとめています。
他の距離ではどのタイムに相当するか
| 距離 | タイム |
|---|---|
| 5km | 18分48秒 |
| 10km | 38分59秒 |
| ハーフ | 1時間26分16秒 |
| フル | 3時間00分00秒 |
ハーフで1時間26分を切れていれば、走力としては届いています。
フルの前半をイーブンペースで通過するタイム(1時間30分)より、4分ほど速い走力が必要です。
10kmで40分を切る走力は、フルに換算すると3時間04分で、サブ3にはわずかに届きません(10kmの目標タイム別に必要なVO2max)。
5kmごとの通過タイム
| 地点 | 通過タイム |
|---|---|
| 5km | 21分19秒 |
| 10km | 42分39秒 |
| 15km | 1時間03分59秒 |
| 20km | 1時間25分19秒 |
| 中間点 | 1時間30分00秒 |
| 25km | 1時間46分38秒 |
| 30km | 2時間07分58秒 |
| 35km | 2時間29分18秒 |
| 40km | 2時間50分38秒 |
| ゴール | 3時間00分00秒 |
イーブンペースで走った場合の数字で、余裕はありません。秒未満は切り捨てています。
この通過タイムはぎりぎりのラインと考えてください。
他のペースの通過タイムはマラソン ペース別 通過タイム表にまとめています。
練習ペースの目安
| 練習の種類 | ペース(1kmあたり) |
|---|---|
| Eペース(ジョグ) | 4分50秒 |
| Tペース(閾値走) | 4分01秒 |
| Iペース(高強度) | 3分41秒 |
Tペースの4分01秒は、目標レースペースより15秒速いだけです。
それぞれの強度の意味はEペース・Tペース・Iペースとはで扱っています。
研究の式で計算したサブ3の月間走行距離
| ふだんの練習のペース(1kmあたり) | 週間走行距離 | 月間走行距離の目安 |
|---|---|---|
| 4分15秒 | 約72km | 約314km |
| 4分30秒 | 約89km | 約389km |
| 4分45秒 | 約108km | 約470km |
| 5分00秒 | 約129km | 約561km |
| 5分15秒 | 約152km | 約663km |
市民ランナーの男性126人のデータから作られた予測式(TandaとKnechtle、2013年)で、予想タイムが3時間00分になる週間走行距離を逆算しました。体脂肪率は15%として計算し、月間は週間の4.35倍としています。
この式は、ゴールタイムが2時間45分〜4時間26分の範囲で使えるとされており、3時間はその中に入ります。
ただし、研究に参加したランナーの走行距離がどの範囲だったかは確認できませんでした。週100kmを超える行が、研究のデータの範囲に入っているかは分かりません。
予測は実際のタイムと強く相関していました(r=0.81)が、1人ひとりのタイムを正確に当てるものではありません。
この表は、月間走行距離の目標を勧めるものではありません。サブ4の場合の計算と、ほかの研究の数字はサブ4の月間走行距離は何km?にまとめています。
注意点
ここに挙げた数値は、好条件が揃った場合の理論値です。
気温、起伏、風、スタート直後の混雑は、いずれもタイムを押し下げます。
理論値ちょうどの走力では余裕がまったくないため、条件が少し悪いだけで届かなくなります。
まとめ
- サブ3に必要なVDOTは53.5、時計のVO2maxスケールでは62.4
- 必要な巡航ペースは1kmあたり4分15秒。4分16秒では3時間を約2秒超える
- Apple WatchのVO2maxは推定範囲の上限が65で、62.4はその近く。レースタイムから確かめるほうが確実
- ハーフで1時間26分を切れていれば、走力としては届いている
- サブ3を達成しているのは男性の4.7%、女性の0.6%(2025年度)
厚底カーボンシューズでマラソンのタイムがどれだけ変わるかは、厚底カーボンシューズで何%速くなる?にまとめています。
予想タイムはDaniels-Gilbertの式、生理学スケールへの換算はCooperの式によります。
サブ3の割合はRUNNET「全日本マラソンランキング2025発表」、月間走行距離はTanda G, Knechtle B. Marathon performance in relation to body fat percentage and training indices in recreational male runners. Open Access Journal of Sports Medicine, 2013(論文のページ)の式をもとに、このサイトで計算しました。


