マラソンの年齢補正では、年齢ごとの係数をタイムに掛けて、30代前半の記録に相当するタイムを出します。
世界マスターズ陸上(WMA)の2023年版の係数で計算すると、50歳の男性の4時間00分は、30代の3時間38分に相当します。
男性は38歳から、女性は35歳から係数が下がり始め、40〜60歳では1歳あたり約0.7〜0.8%ずつ下がります。
結論:年齢補正後のタイムの早見表
| 男性の年齢 | 4時間00分 | 4時間30分 | 5時間00分 |
|---|---|---|---|
| 40歳 | 3時間55分 | 4時間25分 | 4時間54分 |
| 45歳 | 3時間47分 | 4時間15分 | 4時間43分 |
| 50歳 | 3時間38分 | 4時間05分 | 4時間32分 |
| 55歳 | 3時間29分 | 3時間55分 | 4時間21分 |
| 60歳 | 3時間20分 | 3時間45分 | 4時間10分 |
| 女性の年齢 | 4時間00分 | 4時間30分 | 5時間00分 |
|---|---|---|---|
| 40歳 | 3時間52分 | 4時間21分 | 4時間50分 |
| 45歳 | 3時間43分 | 4時間11分 | 4時間39分 |
| 50歳 | 3時間34分 | 4時間01分 | 4時間27分 |
| 55歳 | 3時間24分 | 3時間50分 | 4時間15分 |
| 60歳 | 3時間14分 | 3時間38分 | 4時間02分 |
表の読み方:50歳の男性がフルマラソンを4時間00分で走った場合、30代前半の人なら3時間38分に相当する走りだった、という意味です。WMAの2023年版の係数を使ってこのサイトで計算し、分未満は四捨五入しています。
30代のサブ4と同じ水準は、年齢によって何分か
逆向きに計算すると、30代前半の人の4時間00分と同じ水準のタイムは、年齢によって次のようになります。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 40歳 | 4時間05分 | 4時間09分 |
| 45歳 | 4時間14分 | 4時間18分 |
| 50歳 | 4時間24分 | 4時間29分 |
| 55歳 | 4時間36分 | 4時間42分 |
| 60歳 | 4時間48分 | 4時間57分 |
たとえば60歳の男性の4時間48分は、30代のサブ4(4時間切り)と同じ水準の走りと計算されます。
年齢補正(エイジグレード)とは
年齢補正は、年齢や性別の違うランナーの記録を同じ基準で比べるための方法です。
世界マスターズ陸上(WMA。35歳以上の陸上競技の国際団体)が、種目・性別・年齢ごとの係数を公表しています。
WMAの説明では、係数は過去の記録のデータをもとに作られ、何度か見直されてきました。2023年版は、2023年1月1日から使われています。
係数は、30代前半を1として、年齢が上がるほど小さくなります。
タイムに係数を掛けると、30代前半に相当するタイムが出ます。
また、年齢別の基準タイムと自分のタイムを比べた割合を「エイジグレード」と呼び、WMAの説明では、100%がほぼ世界記録の水準で、90%以上を世界クラス、80%以上を国内クラス、70%以上を地域クラス、60%以上を地元クラスの目安としています。
何歳からタイムが落ちるか
- 男性:37歳までは係数が1で、38歳から下がり始めます。
40歳から60歳までは、1歳あたり約0.7%ずつ下がります - 女性:35歳から下がり始め、40歳から60歳までは1歳あたり約0.8%ずつ下がります
WMAの基準は、100%がほぼ世界記録になるように作られていて、記録の水準をもとにしています。
一方、日本の市民ランナーの年齢別の平均タイムでは、いちばん速かったのは男性42歳(4時間26分)、女性43歳(4時間54分)でした(RUNNET、2022年度の集計)。
市民ランナーの平均が40代前半でいちばん速い理由は、この集計からは分かりません。
市民ランナー約38万人の記録では、55歳より前にはっきりした低下が見られませんでした(マラソンは何歳まで速くなる?)。
VO2maxの下がり方との比較
米国の健康な成人のデータ(FRIEND)では、VO2maxの中央値は男性40代で35.3、50代で29.2で、約17%低くなっています。
上位10%の境目の値でも、50.8から43.4へ約15%低くなっています。
WMAの係数では、男性40歳から50歳までの差は、タイムにして約8%です。
FRIENDのデータは違う年代の人を同じ時期に比べたもので、走らない人も含みます。
WMAの係数は記録をもとにしています。
何を比べているかが違うため、どちらの下がり方が正しいとは言えません。
年代別のVO2maxはVO2maxの平均は?にまとめています。
年齢別の資格タイムで出場者を選ぶ大会の例はボストンマラソンに出られるのは何分のランナー?にまとめています。
注意点
- 記録の水準の係数:WMAの係数は、記録の水準をもとにしたものです。市民ランナー1人ひとりの下がり方がこのとおりになるとは限りません
- 係数の表はこの記事に載せていない:WMAの資料に転載の条件が見つからなかったため、計算した結果だけを載せています。係数そのものは出典のWMAの資料で確かめられます
- 係数は見直される:この記事は2023年版の係数で計算しています。新しい版が出ると数字が変わります
日本の市民ランナーの完走タイムはフルマラソンの平均タイムは?、目標タイムに必要な時計のVO2maxはサブ4に必要なVO2maxは44.6などの記事にまとめています。
出典
- World Masters Athletics「2023 WMA Rulebook Appendix B」(マラソンの年齢係数、2023年版)
- World Masters Athletics「Road Age Standards – WMA 2010」(年齢基準の考え方、エイジグレードの目安)
- British Masters Athletic Federation「Age Graded Standards」(2023年版が2023年1月1日から使われていること)
- RUNNET「市民ランナーのピークは42〜43歳?」(2024年1月17日)(年齢別の平均タイム)
- Kaminsky LA, et al. Updated Reference Standards for Cardiorespiratory Fitness Measured with Cardiopulmonary Exercise Testing. Mayo Clinic Proceedings, 2022(FRIENDの年代別VO2max)
年齢補正後のタイムは、WMAの2023年版の係数を使ってこのサイトで計算したものです。


