Apple WatchやガーミンのVO2max(最大酸素摂取量。持久力の目安となる数値)は、屋外で、GPSと心拍がとれる状態で、ある程度の強さで一定時間走ったときにだけ推定されます。「更新されない」と感じる原因は、多くの場合この条件を満たしていないか、更新はされているものの1回あたりの変化が小さいかのどちらかです。あるランナーのApple Watchの記録では、約2年間の346回のランのうち340回(98%)で値が更新されていましたが、1回あたりの変化は中央値で0.13でした。
結論:VO2maxが推定される条件
| 条件 | Apple Watch | ガーミン |
|---|---|---|
| 対象の運動 | 屋外ウォーキング、屋外ランニング、ハイキング | 屋外ランニング(GPSを使用) |
| 屋内の運動 | 対象外(トレッドミルなど) | 対象外 |
| 時間 | 5.75分より長い(2021年の資料) | 10分以上 |
| 強さ | 心拍数が、安静時から最大までの幅の約30%以上上がる(2021年の資料) | 最大心拍数の70%以上 |
| 地形 | 勾配5%未満の比較的平らな道(2021年の資料) | トレイルラン・ウルトラランは、設定で推定の対象から外せる |
| 最初の値が出るまで | 24時間以上の装着と、数回の対象の運動 | 数回のランで走りを学習する |
| その他 | Series 3以降。年齢・性別・体重・身長などを使って推定 | ユーザー設定(プロフィール・最大心拍数)を入れておくと推定がより正確になる |
Apple Watchの条件のうち、時間・強さ・地形は、Appleが2021年に公開した技術資料によるものです。2026年10月時点で、これより新しい詳しい条件は公開されていません。2024年11月の技術資料でも、屋外を歩いたり走ったりするときに自動で推定すると書かれているだけで、細かい条件は示されていません。今も2021年と同じ条件かどうかは確認できていません。
なお、Appleは2026年9月に、iPhoneのカメラとApple Watchなどを使って、自宅でVO2maxを推定するテストを発表しました。発表では、新しいヘルスケアAppは年内に米国の英語版から提供が始まり、ほかの言語は順次とされています。日本語での提供時期は示されていません。
「更新されない」ときに考えられる原因
- 屋内で走った:トレッドミルなどの屋内のランは、どちらも対象外です
- 時間が短い:ガーミンは10分以上が必要です
- 強さが足りない:歩きが多いランや、ごくゆっくりしたジョグでは、心拍数の条件を満たさないことがあります
- 坂やトレイル:Appleの資料では、比較的平らな道が条件です。ガーミンは設定によってトレイルランを対象から外します
- GPSや心拍がうまく取れていない:Appleの資料では、GPSの状態と心拍信号の質も条件に挙げられています
- 使い始め:どちらも、最初の値が出るまでに数回のランが必要です
なお、Appleのサポートページでは「ワークアウト」App(Apple純正のアプリ)での記録が対象と書かれていますが、次の節のランナーは、主にNike Run Clubのアプリで記録していて、ほとんどのランで値が更新されていました。
あるランナーの記録:346回中340回で更新
あるランナーのApple Watchで、約2年間のラン346回と、VO2maxの記録を突き合わせました。ランの終了から15分以内にVO2maxが記録されていれば「更新あり」としています。
| ランの長さ | 回数 | 更新あり |
|---|---|---|
| 15分以下 | 7回 | 5回 |
| 15分超〜60分 | 283回 | 281回 |
| 60分超 | 56回 | 54回 |
| 合計 | 346回 | 340回(98%) |
更新されなかった6回の内訳は次のとおりです。
- 5分に満たないラン:2回
- 歩きを多く含む、4時間を超えるロング走(1kmあたり14分ほどのペース):1回
- フルマラソンのレース:1回(レースの途中でApple Watchの電源が落ちていました。バッテリーは残っていて、電源が落ちた原因は分かっていません)
- 原因が分からないもの:2回(どちらも約50分、10km前後のラン)
短いランと歩きの多いランは、上の条件で説明できます。フルマラソンは、時計の電源が途中で落ちたことで記録が途切れたためと考えられます。残りの2回で更新されなかった理由は、公開されている情報からは分かりませんでした。
更新されているのに「変わらない」ように見える理由
| 1回の更新での変化 | 割合 |
|---|---|
| 0.2未満 | 71% |
| 0.5未満 | 97% |
| 中央値 | 0.13 |
このランナーの場合、前回の値からの変化422回分のうち7割は、変化が0.2未満でした。1回のランで動く幅はとても小さく、毎回更新されていても、数日〜1週間ほどでは「変わらない」ように見えます。数値の変化を見るときは、1か月ほどの流れで見るほうが分かりやすくなります。逆に、1か月の間に1ポイント以上下がった場合の原因は、VO2maxが下がるのはなぜ?でまとめています。
時計のVO2maxが何を表す数値なのかはVO2maxとは?、数値ごとのマラソンの予想タイムはVO2max別の一覧表にまとめています。VO2maxを表示できる時計の比較はVO2maxが測れるGPSウォッチはどれ?をご覧ください。
Fitbit Airは条件が違い、スマホを持って走る必要があります(Fitbit AirでVO2maxは測れる?)。
出典
- Apple サポート「心肺機能レベルを追跡する」(対象の運動、最初の推定まで、機種、推定に使う情報)
- Apple「Using Apple Watch to Estimate Cardio Fitness with VO2 max」(2021年5月)(時間・強さ・地形・GPS・心拍の条件)
- Apple「Using Apple Watch to measure heart rate, calorimetry, and activity」(2024年11月)
- Apple Newsroom「Apple advances health and fitness capabilities using Apple Intelligence」(2026年9月9日)
- Garmin Forerunner 970 取扱説明書「Getting Your VO2 Max. Estimate for Running」(10分以上、最大心拍数の70%以上、屋外)
- Garmin Forerunner 265 取扱説明書「About VO2 Max. Estimates」(GPS、トレイルランの設定)
ガーミンの条件は機種によって異なる場合があります。お使いの機種の取扱説明書もあわせて確認してください。


