30km走はマラソンに特異的な練習なので、やった方が良い。
「30kmの壁」を経験しておくことは重要だ。
マラソン大会に向けて練習をしていると、必ずと言って良いほど、30km走の話題が出てきます。
市民ランナーにとっては優しい練習ではなく、時間もかかるため、できれば効率的に行いたいと思うのではないでしょうか?
今回は30km走を何回走れば良いか?について調べてみました。
先に結論です。
30km走を何回走ればよいかを、回数で示した研究は見つかりませんでした。
分かっているのは、練習でいちばん長く走った距離が25km未満だったランナーは、30〜35km走っていたランナーより、マラソンが約13分遅かったという研究結果です(マラソンのランナー441人)。
サブ4を達成したあるランナーは、レース前16週間に30km以上を走ったのは1回、20km以上は4回でした。
結論:研究の数字
| 研究 | 対象 | 結果 |
|---|---|---|
| Fokkema ほか(2020年) | マラソンのランナー441人 | 練習の最長距離が25km未満の人は、30〜35kmの人より約13分遅かった。ただし、レース後半の失速とは関係が見られなかった |
| Smyth(2021年) | マラソンの結果400万件以上 | 「壁に当たった」(後半に大きく失速した)のは、男性の28%、女性の17%。壁に当たった区間は、平均で男性約10.7km、女性約9.6km |
Fokkemaらの研究は「最長距離が長い人ほど速い」という関係を示したもので、30km走の回数を増やせば速くなることを確かめたものではありません。
Smythの研究は、レースのペースの変化から失速を判定したもので、練習の内容は調べていません。
30km走の回数と、壁に当たるかどうかの関係を調べた研究は、今回の調査では見つかりませんでした。
あるランナーの実測:16週間で20km以上は4〜5回
| レース前16週間 | 1回目(サブ4) | 2回目(3時間31分台) |
|---|---|---|
| 30km以上 | 1回 | 1回 |
| 25km以上 | 1回 | 2回 |
| 20km以上 | 4回 | 5回 |
| いちばん長い練習 | 約30km | 約30km |
| 30km走のペース(1kmあたり) | 約6分10秒 | 約5分14秒 |
| 30km走の時期 | レースの約7週間前 | レースの約11週間前 |
どちらのレースでも、30km以上の練習は1回でした。
最長距離はFokkemaらの研究の「30〜35km」のグループに入りますが、回数は多くありません。
この1人の例からは、30km走の回数とタイムの関係は判断できません。
注意点
- この記事は、30km走の回数や距離を勧めるものではありません。研究と実測の数字をまとめたものです
- ランナーの記録は、Nike Run Clubで記録した走行データを集計したものです。途中で歩いたり休んだりした時間を含むかどうかは、記録によって異なります
このランナーの練習の全体像はサブ4の月間走行距離は何km?と理想どおりに練習できなくても、サブ4には届いた、レース当日の通過タイムはマラソン ペース別 通過タイム表にまとめています。
30km以降にペースが大きく落ちる「壁」がどれくらいの人に起きるかは、マラソンの「30kmの壁」は本当にある?にまとめています。
レース前の数週間に距離をどう減らした人が速かったかは、テーパリングは何週間前から?にまとめています。
出典
- Fokkema T, et al. Training for a (half-)marathon: Training volume and longest endurance run related to performance and running injuries. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 2020
- Smyth B. How recreational marathon runners hit the wall: A large-scale data analysis of late-race pacing collapse in the marathon. PLOS ONE, 2021


