LSD(ロング・スロー・ディスタンス。ゆっくり長く走る練習)は、キロ何分で走ればよいのでしょうか。実は、LSDには「この速さ」という決まった定義がありません。そこで、目標タイムごとのEペース(ジョグのペース)を、このサイトの計算で並べてみました。
サブ4を目指す人のEペースは、1kmあたり6分22秒。レースペースより約42秒遅い速さです。LSDの例として出てくる「キロ7分」は、サブ4.5を少し上回る走力の人のEペースに当たります。
結論:目標タイム別のEペース
| フルマラソンの目標 | レースペース(1kmあたり) | Eペース(1kmあたり) | Eペースはレースペースより |
|---|---|---|---|
| サブ5 | 7分06秒 | 7分54秒 | 約49秒遅い |
| サブ4.5 | 6分23秒 | 7分08秒 | 約46秒遅い |
| サブ4 | 5分41秒 | 6分22秒 | 約42秒遅い |
| サブ3.5 | 4分58秒 | 5分36秒 | 約39秒遅い |
| サブ3 | 4分15秒 | 4分50秒 | 約36秒遅い |
Eペースは、目標タイムぴったりで走れる走力(VDOT)の70%に当たる速さです。レースペースは目標タイムで走りきる平均の速さで、秒未満を切り捨てています。目標が速い人ほど、Eペースとレースペースの差は小さくなります。
LSDには、決まったペースがない
「Long Slow Distance」という言葉は、アメリカのジョー・ヘンダーソンが1969年に同じ題名の本を出したことで広まりました。この本は、速さを重ねる練習が主流だった時代に、ゆっくり長く走る方法を選んだランナーたちを紹介したものです。キロ何分という数字で定義した言葉ではありません。
日本では、「会話ができるくらいの速さ」を目安にする説明があります。たとえばアシックスのランニングクラブのコーチは、人と話をしながら走れるくらい、自分にとってゆっくりのペースで走るよう説明しています。その記事で紹介された練習会のペースは、1kmあたり7分ほどでした。
「キロ7分」は、どの走力の人のEペースか
このサイトの計算で、Eペースがちょうど1kmあたり7分00秒になるのは、時計のVO2maxが39.7の人です。フルマラソンの予想タイムにすると4時間24分で、サブ4.5を少し上回る走力に当たります。
サブ4を目指す人にとって、キロ7分はEペースより38秒遅い速さです。サブ3を目指す人なら、2分以上遅くなります。同じ「LSD」という言葉でも、走力によって、Eペースと同じくらいの速さにも、それよりずっと遅い速さにもなります。
注意点
- LSDを勧める記事ではありません:どの練習をどれだけするかは扱っていません。表は、目標タイムから計算したEペースの目安です
- Eペースは計算上の値:その日の気温や路面、疲れによって、同じ速さでもきつさは変わります
- 「キロ7分」は1つの例:アシックスの記事で紹介された練習会のペースで、LSDの決まりではありません
Eペース・Tペース・Iペースの意味はEペース・Tペース・Iペースとは、目標タイムごとの数字はサブ4に必要なVO2maxは44.6、市民ランナーの練習の速さの分布は練習の8割が中間の速さだったにまとめています。
出典
- Joe Henderson. Long Slow Distance: The Humane Way to Train. 1969(South Dakota State University の書誌情報)
- アシックス「ランニングのLSDって?効果と走り方のコツ【イベント体験】」(2022年6月16日)(会話ができる速さ、練習会のペース)
Eペースとレースペースは、Daniels-Gilbertの式(速さと酸素摂取量の関係)を使い、トップの一覧表と同じ方法でこのサイトで計算したものです。時計のVO2maxへの換算はCooperの式によります。


