VO2max(最大酸素摂取量。体重1kgあたり1分間に取り込める酸素の量で、持久力の土台になる数値)の平均的な値は、年齢と性別で大きく変わります。米国の健康な成人を測った約1.6万件のデータでは、真ん中の人の値は20代男性で46.5、40代男性で35.3、20代女性で36.6、40代女性で25.7でした。この値をそのまま一覧表と同じ計算式に当てはめると、フルマラソンの予想タイムは3時間51分〜7時間53分になります。
結論:年齢・男女別の平均的なVO2maxと予想タイム
| 年代 | 男性のVO2max | フルマラソン予想 | 女性のVO2max | フルマラソン予想 |
|---|---|---|---|---|
| 20代 | 46.5 | 3時間51分 | 36.6 | 4時間41分 |
| 30代 | 39.7 | 4時間23分 | 28.3 | 5時間41分※ |
| 40代 | 35.3 | 4時間49分 | 25.7 | 6時間05分※ |
| 50代 | 29.2 | 5時間33分※ | 22.9 | 6時間35分※ |
| 60代 | 24.6 | 6時間16分※ | 19.6 | 7時間16分※ |
| 70代 | 20.6 | 7時間03分※ | 17.2 | 7時間53分※ |
VO2maxは、FRIENDという米国の登録データ(Kaminsky ほか、2022年)の中央値です。中央値は、値の小さい順に並べてちょうど真ん中に来る人の値で、「平均的な人の値」と読めます。予想タイムは分未満を切り捨てています。
※の付いた行は参考値です。VO2maxが33未満になると、予想ペースは1kmあたり7分半〜11分台と歩くのに近い速さになります。予想タイムの計算式は走る人のデータから作られたもので、この範囲では式の当てはまりが確かめられていません。サイトの一覧表がVO2max 33から始まっているのも同じ理由です。
年齢による下がり方
同じデータでは、男性の中央値は20代の46.5から70代の20.6まで、女性は36.6から17.2まで下がっています。年代が1つ上がるごとに、男性では4〜7ポイント、女性では2〜8ポイントの差です。
ただし、これは異なる年代の人を同じ時期に比べた数字で、同じ人を何十年も追いかけたものではありません。走り続けている人の値がこのとおりに下がるとは限りません。
マラソンのタイムで見た年齢による差は、マラソンの年齢補正とは?で計算しています。
マラソンのタイムが何歳まで落ちないかはマラソンは何歳まで速くなる?で扱っています。
上位10%の値と予想タイム
同じデータで、各年代の上位10%に入る境目の値(90パーセンタイル)です。
| 年代 | 男性のVO2max | フルマラソン予想 | 女性のVO2max | フルマラソン予想 |
|---|---|---|---|---|
| 20代 | 58.6 | 3時間10分 | 49.0 | 3時間42分 |
| 30代 | 55.5 | 3時間19分 | 42.1 | 4時間11分 |
| 40代 | 50.8 | 3時間35分 | 37.8 | 4時間34分 |
| 50代 | 43.4 | 4時間05分 | 32.4 | 5時間08分※ |
| 60代 | 37.1 | 4時間38分 | 27.3 | 5時間50分※ |
| 70代 | 29.4 | 5時間31分※ | 22.8 | 6時間36分※ |
40代男性なら、上位10%の値でサブ3.5(3時間30分切り)に少し届かない計算です。目標別に必要な数値は、サブ3.5に必要なVO2maxなどの記事にまとめています。
自分の時計の値が、年代・男女別に見て上位何%にあたるかは、VO2max 50はどれくらい?で45〜60の数値ごとにまとめています。
マラソンの完走タイムから見たアメリカと日本のVO2maxは、アメリカのマラソン完走タイムは?で計算しています。
日本の目安:厚生労働省の基準値
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、年代別・男女別の全身持久力の基準値を示しています。これは平均値ではなく、健康のために持っておきたい値です。全身持久力が高い人ほど死亡や生活習慣病の危険が低いという研究をもとに決められています。
| 年代 | 男性の基準値 | フルマラソン予想 | 女性の基準値 | フルマラソン予想 |
|---|---|---|---|---|
| 20代 | 43.8 | 4時間03分 | 33.3 | 5時間02分 |
| 30代 | 38.5 | 4時間30分 | 29.8 | 5時間29分※ |
| 40代 | 35.0 | 4時間51分 | 26.3 | 5時間59分※ |
| 50代 | 31.5 | 5時間15分※ | 24.5 | 6時間17分※ |
| 60代 | 28.0 | 5時間43分※ | 22.8 | 6時間36分※ |
| 70代 | 26.3 | 5時間59分※ | 21.0 | 6時間58分※ |
ガイドではメッツ(安静時の何倍のエネルギーを使うかを表す単位)で示されており、3.5倍してVO2maxの単位に換算しています。米国データの中央値と比べると、男性の20代〜40代と女性の20代ではやや低く、男性の50代以上と女性の30代以上ではやや高い値です。
時計の数値と比べるときの注意
- 測り方が違う:ここで挙げた値は、実験室でマスクを着けて走り、吐いた息を分析して測ったものです。GPSウォッチの値は、心拍数と速さからの推定値です。尺度は同じですが、同じ精度ではありません
- 走らない人も含む:米国のデータは健康な成人全体のもので、走っている人に限りません。日常的に走っている人の値は、平均より高く出やすいと考えられます
- 米国のデータ:日本人について年代別の中央値を示した大規模なデータは、今回の調査では確認できませんでした
機種ごとの時計の数値の見方はGPSウォッチのVO2maxはどこで見る?に、Apple Watchの数値で予想タイムがどれくらい当たるかはApple WatchのVO2maxで予想タイムは当たるのかにまとめています。
実際の完走タイムの中央値は、フルマラソンの平均タイムは?にまとめています。
出典
- Kaminsky LA, et al. Updated Reference Standards for Cardiorespiratory Fitness Measured with Cardiopulmonary Exercise Testing: Data from the Fitness Registry and the Importance of Exercise National Database (FRIEND). Mayo Clinic Proceedings, 2022(トレッドミルでの測定、16,278件)
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
予想タイムはDaniels-Gilbertの式、VO2max(生理学的な尺度)からの換算はCooperの式によります。


