朝ランと夜ラン、速く走れるのはどっち?|研究は夕方がわずかに有利、約250回の実測では心拍あたりほぼ同じ

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朝ランと夜ラン、速く走れるのはどちらでしょうか。研究をまとめた分析では、持久力は夕方のほうがわずかに有利という結果でした。ただし、その差は小さく、研究者自身も「持久力がいちばん高くなる時間帯の根拠は乏しい」と結論づけています。

では、実際のランナーの記録ではどうか。あるランナーの約2年分を朝と夜に分けると、朝のほうが1kmあたり約9秒ゆっくりでした。ところが、心拍1拍あたりに進んだ距離で比べると、朝と夜の差は0.3%しかありませんでした。

結論:研究と実測で分かったこと

何を見たか結果
研究のまとめ(29本の研究を統合)持久力は夕方がわずかに有利。ただし差は小さく、ピークの時間帯の根拠は乏しい
あるランナーの1kmあたりのペース朝のほうが約9秒ゆっくり
あるランナーの平均心拍数朝のほうが約2拍低い
あるランナーの心拍1拍あたりに進んだ距離朝と夜で0.3%の差。ほぼ同じ

ランナーの記録は、朝と夜の両方を走った月だけを使い、月ごとに朝と夜を比べた差の中央値(真ん中の値)です。朝のランは冬に多く、そのまま全部を比べると、雪道の影響が朝の側に偏るためです。

研究:夕方がわずかに有利、ただし持久力の差は小さい

2022年に発表された系統的レビュー(関係する研究を集めて統合する分析)は、1日に3回以上の時間帯で能力を測った研究を集めました。条件に合った63本のうち29本を統合したところ、持久力・瞬発力・握力・ジャンプのすべてで、夕方のほうが良い結果でした。

ただし、持久力の差の大きさ(効果量)は0.23でした。効果量は差の大きさを表す指標で、一般に0.2前後は「小さい差」とされます。瞬発力やジャンプは13〜20時に最も高くなるという強い根拠があった一方、持久力については、最も高くなる時間帯の根拠は乏しいとされています。研究の差は%で示されていないため、「4時間のランナーなら何分」には直せません。

あるランナーの実測:朝はゆっくり、心拍あたりではほぼ同じ

比べた範囲比べた月数・回数朝のペースは夜より朝の心拍数は夜より心拍1拍あたりの距離の差
4.5km以上のすべてのラン21か月(朝60回・夜185回)約9秒遅い約2拍低い0.3%
5km前後のランだけ13か月(朝35回・夜64回)約7秒遅い約1拍低い0.6%

Apple Watch(Nike Run Club)で記録した約2年分のランのうち、4〜9時台に走り始めたものを朝、17〜23時台を夜としました。心拍1拍あたりの距離は、速さ(m/分)を平均心拍数で割った値です。同じ心拍数で速く走れれば、この値は大きくなります。

朝のペースは、比べた21か月のうち15か月で夜より遅くなっていました。一方で、心拍数も朝のほうが少し低く、心拍あたりに進んだ距離はほとんど変わりません。朝は体が動かなかったというより、朝は少し控えめな強さで走っていた、と読める数字です。どちらが理由かは、この記録だけでは区別できません。

なお、このランナーは夜に走ることが多く、夜のランは朝の3倍以上ありました。短時間の全力運動の研究をまとめた別のレビューでは、決まった時間帯に練習を続けると、時間帯による能力の差が小さくなると報告されています。持久走でも同じことが言えるかは、分かりません。

注意点

  • 1人分の記録:練習の記録で、レースではありません。その日の練習内容(ゆっくり走る日か、速く走る日か)はそろえていません
  • 時間帯以外の条件:気温、路面、走る前の食事や睡眠も、朝と夜で違います。同じ月の中で比べても、これらは取り除けていません
  • 朝と夜、どちらに走るべきかは扱っていない:健康や体重への効果も、この記事では扱っていません

心拍あたりの距離で冬の走りを見た結果は冬にペースが落ちるのは走力低下ではない、睡眠と走りの関係は睡眠時間は走りに影響するのかにまとめています。

出典

ランナーの記録は、Nike Run Clubの走行データ(距離・時間・平均心拍数)を、このサイトで集計したものです。

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